日本人の趣味はどう変わってきた?統計で読む「読書・カラオケ・ガーデニング・ゲーム」のいま
「日本人って、実際どんな趣味をどれくらい楽しんでいるんだろう?」。
総務省統計局の「趣味・娯楽」に関する調査をもとに、読書・カラオケ・ガーデニング・ゲームを中心に、日本人の余暇のすがたを整理してみました。
日本人の約8割以上が何らかの「趣味・娯楽」を楽しんでいる
総務省統計局の調査によると、過去1年間に何らかの「趣味・娯楽」を行った人は約9,720万人。
10歳以上人口に占める割合(行動者率)は85.9%で、日本人の大多数が何かしらの趣味を持っていることが分かります。
一方で、平成8年(1996年)と比べると、行動者率は約4.6ポイント低下しています。
「趣味を持つ人は多いけれど、全体としては少しずつ減ってきている」というゆるやかな変化も見えてきます。
年齢が上がるほど「趣味をする人」は少しずつ減っていく
年齢階級別に行動者率を見ると、若い世代ほど趣味・娯楽の行動者率が高く、年齢が上がるにつれて少しずつ低下していく傾向があります。
とはいえ、どの年代でもゼロになるわけではなく、形を変えながらも何らかの楽しみを続けていることが数字からも読み取れます。
人気の趣味トップクラスは「読書・カラオケ・映画・ガーデニング」
「この1年で実際に行った趣味・娯楽」を種類別に集計すると、行動者率が高いのは次のような種目です。
- 趣味としての読書(行動者率:約45%)
- カラオケ(約4割)
- 映画鑑賞(テレビ・ビデオ等を除く)(3~4割台)
- 園芸・庭いじり・ガーデニング(3割強)
読書は「一人で楽しめる王道の趣味」、カラオケや映画は「誰かと一緒に楽しむレジャー」、ガーデニングは「暮らしに根ざした趣味」として、それぞれ定番の位置づけになっていることが分かります。
頻度で見ると「ゲーム・読書・楽器・ガーデニング」が強い
行動者率(やった人の割合)だけでなく、「1年間の平均行動日数」を見ると、別の顔ぶれが上位に出てきます。
- テレビゲーム(家庭用・携帯用):平均およそ80日以上
- 趣味としての読書:平均80日前後
- 楽器の演奏:平均60日台
- 園芸・庭いじり・ガーデニング:平均60日前後
いずれも「日常生活の中に組み込みやすい」タイプの趣味であり、
ちょっとしたスキマ時間や自宅でコツコツ続けられるものが、頻度ベースでは上位に並んでいます。
男性と女性で違う「得意分野」の趣味
同じ趣味でも、男女で「よくやる種目」には違いがあります。
男性の方が行動者率が高い趣味の例:
- 日曜大工
- パチンコ
- テレビゲーム
- スポーツ観戦(テレビ等は除く)
- カラオケ
女性の方が行動者率が高い趣味の例:
- 趣味としての料理・菓子作り
- 編み物・手芸
- 和裁・洋裁
- 園芸・庭いじり・ガーデニング
- 演芸・演劇・舞踊鑑賞(テレビ等は除く)
「暮らしを整える・手を動かす」分野は女性、「遊び・娯楽色が強い分野」は男性――という、
昔からのイメージに近い傾向が、いまのデータにも残っているのが分かります。
年代別に見る「その世代らしい趣味」
年代別に上位の趣味をならべると、より「世代の違い」がはっきりします。
10代〜20代:ゲーム・映画・カラオケ
10代ではテレビゲーム、映画鑑賞が目立ち、20代ではカラオケや映画鑑賞が上位。
友人や仲間と楽しむレジャーと、ゲームのようなデジタル娯楽が中心です。
30〜40代:読書・カラオケ・映画
30〜40代になると、趣味としての読書がトップクラスに上がってきます。
仕事や家庭の合間に、静かに自分のペースで楽しめる趣味が選ばれやすいのかもしれません。
50代以上:ガーデニングと読書が定番に
50代・60代、そして70代以上では、「園芸・庭いじり・ガーデニング」と「趣味としての読書」が定番です。
ベランダや庭で植物を育てたり、ゆっくり本を読んだりと、暮らしに寄り添った余暇の楽しみ方が目立ちます。
なぜAIが「家庭菜園・ガーデニング」記事を推しがちなのか
中高年以降の世代で「園芸・庭いじり・ガーデニング」が上位に来ることを考えると、
AIが「日本人の趣味」をざっくり書くときに、家庭菜園やガーデニングを例としてよく挙げるのも、ある意味では自然な結果と言えます。
日本全体で見たときに、ガーデニングは
「年齢を問わず続けやすく、特に中高年以降で支持の厚い王道の趣味」
だからです。
もしAIに趣味の記事を書かせるときは、
- どの年代を主な読者として想定するのか
- その年代で実際に人気が高い趣味は何か
といった点を、統計データを参考にしながらプロンプトで指定してあげると、
現実に近い内容で記事を書かせやすくなります。
今回の統計まとめと関連リンク
今回は、総務省統計局の「趣味・娯楽」に関する調査をもとに、日本人の余暇のすがたをざっくり整理してみました。
- 全体としては8割以上が何かしらの趣味を楽しんでいる
- 読書・カラオケ・映画・ガーデニングは世代をまたいで人気が高い
- 若い世代はゲームや映画、中高年以降はガーデニングや読書が定番
- かつて勢いのあったカラオケやパチンコは、やや縮小傾向にある
「データは総務省統計局の 平成13年(2001年)調査 に基づいています」
「調査自体は 5年ごとに続いており、2021年調査まで実施されていますが、
趣味の“種類別”が1枚でまとまった資料としては2001年版が分かりやすいため、
本記事ではこの結果を引用しています。」
出典:
総務省統計局「平成13年社会生活基本調査 結果の要約 生活行動に関する結果」
6. 趣味・娯楽(PDF)
令和3年(2021年)社会生活基本調査「生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」
元になったAI記事や、趣味カテゴリに関する記事は、以下からあわせてどうぞ。
令和3年版「趣味・娯楽」のざっくり要点
PDFの「4 趣味・娯楽」部分から、使えそうなポイントだけ抜くと:
- 行動者率(過去1年間に趣味・娯楽を何かしらやった人)
- 行動者数:約 9,703 万人
- 行動者率:86.3%
- 男性:行動者率 86.8%
- 女性:行動者率 85.8% 総務省統計局
- 2016年との比較
- 全体の行動者率は 5年前より 0.7ポイント低下
- 男性は ▲0.4ポイント
- 女性は ▲1.0ポイント と女性側の落ち込みがやや大きい 総務省統計局
- 年齢別の特徴
- 行動者率は 10~14歳が 95.5%で最も高く、
年齢が上がるほどおおむね低くなっていく、というカーブは昔と同じ。総務省統計局
- 行動者率は 10~14歳が 95.5%で最も高く、
- テレワークとの関係(おまけネタ)
- 有業者についてみると、テレワークをした人は、
通勤時間が短くなった分、25~34歳では「趣味・娯楽の時間」が平均28分長くなっているなど、
一部の層では「通勤が減って趣味時間が増えた」傾向が見えます。総務省統計局
- 有業者についてみると、テレワークをした人は、
ざっくり言うと、
園芸・庭いじり・ガーデニングは「ピークは2000年代初頭 → 今は2割台後半で“安定人気”」って感じ
になってました。
平成13年(2001年)の社会生活基本調査では、
「園芸・庭いじり・ガーデニング」の行動者率は 32.5%、平均行動日数は 62日 でした。
趣味としての読書・カラオケ・映画鑑賞に続く “定番の趣味” グループに入っていて、当時からかなりメジャーな存在だったことが分かります。
一方、直近の令和3年(2021年)調査で同じ項目をみると、
2016年 25.7% → 2021年 26.0% と、ここ5年では ほぼ横ばい〜わずかに増加 という結果でした。総務省統計局
同じ表を見ると、
- スマホや家庭用ゲーム機によるゲーム:35.8% → 42.9%(大きく増加)総務省統計局
- CD・スマホなどによる音楽鑑賞:49.0% → 53.5%(じわっと増加)総務省統計局
- カラオケ:30.7% → 13.5%(半分以下に急落)総務省統計局
- 遊園地・動植物園・水族館などの見物:33.8% → 19.0%(かなりの減少)総務省統計局
…という感じで、外出型の娯楽がコロナの影響もあって大きく落ちる一方、スマホゲームや音楽配信のような「家の中で完結する娯楽」が伸びている構図が見えます。総務省統計局
その中で園芸は、
- 2001年:3割強(32.5%)
- 2016〜2021年:2割台後半(25〜26%あたり)で安定
という推移なので、
「全体としては2000年代初頭のピークからは少し落ち着いたけれど、
直近5年を見ると人気はほぼ維持されていて、
コロナ禍でも“自宅まわりで楽しめる趣味”として静かに支持され続けている」
と言えそうです。
これまでをまとめると:
ちなみに、いちばん気になった「園芸・庭いじり・ガーデニング」だけ最新のデータと比べてみると、2001年の行動者率は32.5%だったのに対して、直近の令和3年(2021年)は26.0%。ピークだった2000年代初頭よりは少し落ちたものの、この5年はほぼ横ばいで、スマホゲームや動画配信が伸びる中でも「2割台後半」をキープしている“安定人気の趣味”になっていました。一方で、カラオケや遊園地・水族館といったお出かけ系の娯楽は大きく数字を落としていて、「家の外で遊ぶより、自宅まわりでのんびり楽しむ」方向にシフトしている様子も見えてきます。
