Gitのブランチ運用ガイド:現場で使えるベストプラクティス
チーム開発で混乱しないためのブランチ戦略、具体的なコマンド例、コンフリクト対処法まで、実務で役立つGitのブランチ運用ルールをわかりやすく解説します。
Gitのブランチ運用は、プロジェクトの規模やチーム文化に合わせて設計すると開発効率が大きく向上します。本記事では代表的なブランチ戦略、命名規則、日常的に使うコマンド、コンフリクト対処、CI/CD連携のポイントを実践的にまとめます。
代表的なブランチ戦略と特徴
まずは目的に合った戦略を選びましょう。
- Git Flow:リリース管理が明確で、長期的なリリースサイクルに向く。develop/mainとfeature/release/hotfixの分離が特徴。
- Feature Branching:各機能を独立したブランチで開発。短いサイクルでのマージとPRレビューを前提にする小〜中規模チーム向け。
- Trunk-Based Development:main(またはtrunk)に頻繁に統合する。短いフィーチャーフラグや小さなコミットで高速デリバリーを目指す場合に有効。
実務でのルール(推奨)
混乱を防ぐために最低限のルールを決めておきます。
- ブランチ名は一貫性を持たせる(例:feature/123-login, fix/regex-bug, release/1.2.0)。
- mainやmasterは保護ブランチにして直接pushを禁止、PR(プルリクエスト)経由でマージ。
- PRごとに最低1人以上のコードレビューを必須にする。
- CIを設定し、テストや静的解析が通ったものだけマージ許可にする。
よく使うコマンドと推奨フロー
日常的に使う基本コマンドと推奨されるワークフローの例です。
# ブランチ作成と切り替え
git checkout -b feature/123-login
# リモートの変更を取り込みつつ自分の作業を更新(推奨)
git fetch origin
git rebase origin/main
# 作業をコミット
git add .
git commit -m "feat(login): add OAuth support"
# リモートにpushしてPRを作成
git push -u origin feature/123-login
# マージ前に最新のmainを取り込む(コンフリクト回避のため)
git fetch origin
git rebase origin/main
# またはマージ方式を採るなら
# git merge origin/main
# 不要になったブランチを削除
git branch -d feature/123-login
git push origin --delete feature/123-login
rebase と merge の使い分け
履歴をきれいに保ちたい場合はrebase、履歴の順序やマージコミットを明確に残したい場合はmergeを使います。ただし、共有ブランチ(mainやdevelopなど)に対しては強制的な履歴書き換え(force push)が発生するrebaseは避けるか注意深く運用してください。
コンフリクトの対処法
コンフリクトは避けられないため、発生したときの対応をチームで統一しておくと良いです。
- 大きな変更は小さな単位に分けてマージ頻度を高める。
- コンフリクトが発生したらまずローカルで解消し、必ず動作確認を行う。
- 複雑な解消は誰がどう判断したかをコミットメッセージに残す。
CI/CDと保護ルールの設定例
GitHub/GitLabなどでは以下を推奨します。
- mainに直接push不可、マージはレビュー承認とCIパスが条件。
- マージ前に自動テスト・ビルド・静的解析を実行。
- 必要に応じてコードオーナーやラベルでレビュワーを指定。
まとめ — 継続的に改善する運用を
どの戦略が最適かはチームの規模やリリース頻度、文化によります。まずはシンプルなルールを導入して運用し、定期的に振り返りを行いながら改善していくことが最も重要です。明確な命名規則、PRフロー、CI連携を整えるだけでも作業効率と品質は大きく向上します。
最終更新: 2025-11-21
決済はStripeで安全に処理されます。
Amazonで「git・ブランチ」を検索
Amazonで探す
