Webサイトの表示速度を改善する実践ガイド(Core Web Vitals対策)


Webサイトの表示速度を改善する実践ガイド(Core Web Vitals対策)

Core Web Vitalsを中心に、計測から優先順位付け、具体的な改善手順までをわかりやすく解説。少ない工数で効果を出すためのチェックリスト付き。


ページ表示速度はユーザー体験と検索順位に直結します。特に Core Web Vitals(LCP、CLS、INP)は検索エンジンが重視する指標になっているため、まずは計測とボトルネックの特定から始めましょう。

1) 計測と現状把握

実際のユーザー環境に近いデータを得るために、次のツールを使って計測します。Lighthouse、PageSpeed Insights、Chrome User Experience Report、Web Vitals拡張。測定結果から LCP(Largest Contentful Paint)、CLS(Cumulative Layout Shift)、INP(Interaction to Next Paint。旧FID代替)を確認します。

2) 主要な改善ポイントと対策

  • LCP を改善する: 重要コンテンツのレンダリングを優先する。サーバー応答時間を短縮(TTFB改善、APIs最適化)、リソースの遅延読み込みやプリロード(link rel=preload)で主要なCSSやフォントを優先。大きな画像は次世代フォーマット(WebP/AVIF)へ変換し、適切なサイズで配信する。
  • CLS を低く保つ: レイアウトのずれを生む要素(遅延読み込み画像、広告、埋め込み)に幅と高さを指定してレイアウトを確保する。フォントのフラッシュ問題はフォントディスプレイ戦略で制御する。
  • INP / 体感の応答性を向上: 不要なメインスレッドの作業を減らすためにJSを分割、遅延実行、最小化する。長いタスクはWeb Workerへ移行し、イベントハンドラの軽量化を行う。
  • レンダーブロッキングの削減: CSSは可能な限りクリティカルCSSをインライン化し、残りは遅延読み込み。外部スクリプトはasyncやdeferで非同期に読み込む。

3) インフラと配信の改善

CDNを導入して地理的遅延を減らす。HTTP/2またはHTTP/3の有効化で同時接続やヘッダ圧縮を改善する。キャッシュヘッダを適切に設定し、ブラウザキャッシュとCDNキャッシュを活用する。

4) 画像とメディアの最適化

レスポンシブ画像(srcset)を使い、画面サイズごとに最適な画像を配信。遅延読み込み(loading=lazy)を導入し、背景画像や動画のプレロードを見直す。自動圧縮ツールやビルド時変換を導入すると手間を削減できます。

5) フォントの扱い

カスタムフォントは表示をブロックしやすいので、font-displayを見直し、主要テキストに最適化されたフォントを選ぶ。重要テキスト用のフォントをプリロードすることで視覚の安定と速いLCPに寄与します。

6) 開発ワークフローと自動化

ビルドパイプラインで不要コードの削除、Tree-shaking、圧縮、画像の変換を自動化。CIでパフォーマンステストを行い、回帰を検知する仕組みを組み込みましょう。

7) 優先順位チェックリスト(短期で効く順)

  1. 実測で最も影響の大きいページを特定(GAやSearch Consoleの指標)
  2. 画像の最適化(変換とレスポンシブ配信)
  3. 不要な第三者スクリプトの削除または遅延
  4. 重要CSSのインライン化とスクリプトのasync/defer化
  5. CDNとキャッシュ戦略の導入
  6. 計測を継続して改善効果を検証

8) よく使うツール

Lighthouse、PageSpeed Insights、WebPageTest、Chrome DevTools、Squoosh(画像圧縮)、Bundlephobia(パッケージサイズ確認)、GTmetrix。

最後に、改善は一度に全部やる必要はありません。小さな変更を継続して行い、計測で効果を確認することが最も重要です。まずは計測→画像最適化→レンダーブロッキング削減の順に取り組んでみてください。


最終更新: 2025-11-15

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